今日は、令和3年度 第11問について解説します。

令和3年度賃貸不動産経営管理士試験 第11

「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(国土交通省住宅局平成13年3月23日策定)において、新築される共同住宅に防犯上必要とされる事項に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

① エレベーターのかご内には、防犯カメラを設置するものとされている。

 

② 住戸の玄関扉について、ピッキングが困難な構造を有する錠の設置までは不要とされている。

 

③ 接地階に存する住戸の窓で、バルコニー等に面するもの以外のものは、面格子の設置等の侵入防止に有効な措置を行うものとされている。

 

④ 共用玄関の照明設備の照度は、その内側の床面においては概ね50ルクス以上とされている。

 

 

 

解説

「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」 に基づいた共同住宅の防犯設計に関する問題です。

 

「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」 は、防犯に配慮した新築の共同住宅、既存の共同住宅の改修に係る企画・計画・設計を行う際の具体的な手法等を示すものとして策定されました。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


 

選択肢 ①

エレベーターのかご内には、防犯カメラを設置するものとされている。

 

〇適切です。

エレベーター内は犯罪の発生リスクが高い場所とされており、エレベーターのかご内には防犯カメラの設置する必要があるとされています。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


選択肢 ②

住戸の玄関扉について、ピッキングが困難な構造を有する錠の設置までは不要とされている

 

×不適切です。

錠は、ピッキングが困難な構造のシリンダーを有するもので、面付箱錠、彫込箱錠等破壊が困難な構造のものとし、主錠の他に、補助錠を設置することが望ましいとされています。

つまり、住戸の玄関扉について、ピッキングが困難な構造を有する錠の設置が推奨されています。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ③

接地階に存する住戸の窓で、バルコニー等に面するもの以外のものは、面格子の設置等の侵入防止に有効な措置を行うものとされている。

 

〇適切です。

接地階の窓は侵入経路として使用されやすいため、防犯措置が必要とされています。

接地階に存する住戸の窓のうち、バルコニー等に面するもの以外のものは、面格子など、侵入防止策として有効な建具を設置する必要があります。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ④

共用玄関の照明設備の照度は、その内側の床面においては概ね50ルクス以上とされている。

 

〇適切です。

共用部分の照明の照度を一定以上に確保することで、防犯性の向上につながります。

共用玄関については、内側は概ね50ルクス以上、外側は20ルクス以上の照度を確保することが必要とされています。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢②となります。

 

 

ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

 

★関連解説★

防犯・防火対策(R2年 第36問)

 

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